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メルカリで中古ウクレレを買うリスクと注意点

これからウクレレを始めようとしている方や、2本目3本目を検討している方の中には「できるだけ安く買いたいけど、ウクレレって中古で買っても大丈夫なのかな?」と思っている方も多いと思います。ウクレレを購入する際、メルカリなどのフリマアプリやネットオークションサイトで中古商品を選ぶことのリスクや注意点について解説したいと思います!

そもそもウクレレの中古購入はアリか?ナシか?

大前提として、ウクレレを中古で購入すること自体は全然アリだと思います。アリなんですが、楽器店で新品を購入するよりも失敗のリスクはぐーんと高くなってしまいます。買ってから後悔しないために知っておきたい中古ウクレレ事情をお話ししていきます。大切なのは、どこで買うか、どれを選ぶかをきちんと見極められるかどうかです。

ウクレレの中古価格について

楽器店での中古買取価格の相場

現行品(新品でも買うことができる商品)で楽器にとくに問題がない場合、楽器店での中古買取価格の相場は新品での販売価格(定価ではなく実勢販売価格)のおよそ1/4程度というのが一般的です。楽器店では買取した楽器をクリーニングしたり、メンテナンスしたりして買取価格の2倍程度の(修理等をした場合はその分も上乗せした)価格で再販売しています。もちろんケースバイケースで上がったりも下がったりもしますが、これが中古楽器のおおまかな相場です。覚えておきましょう。

電化製品と同様に中古は価値が下がる

テレビやパソコンなどの電化製品などは古くなれば価値が下がり中古価格は安くなります。楽器も基本的にはそうです。ほぼ木材でできているウクレレは、100年前に作られたものでも状態が良ければ使えます。

ただ、年数が経っているほど状態が悪くなる(弾きにくい、良い音がしない、壊れているなど)傾向があるので注意が必要です。木材であるがゆえにネックが反ったり、ボディがふくらんだりといった経年変化が起きますし、ナット、サドル、フレット、指板といったパーツは使用に伴い消耗します。新品に比べて見た目や演奏性(プレイアビリティ一)が損なわれるから価値も下がってしまいます。

ヴィンテージや希少なウクレレは例外

例外として、新品ではもう手に入れることのできない希少価値のあるヴィンテージ楽器や、人気があるが新品も中古も市場に出回る数が極端に少ないものなど、中古でも価値が下がらないものもあります。ただし、必ずしも<希少、高価=音がいい、弾きやすい>ではないので、ご注意ください。

ウクレレを中古で買うメリット

同じ商品の新品よりも安く買える

中古でウクレレを買おうかなと検討している方の大半は新品よりも安く手に入るだろうと思っているからだと思います。一般的にはその通りですが、新品と違い中古商品は需要があるものほど価格も高くなるので、物によっては新品と変わらないとか、新品より高いこともあります。楽器店の感覚からすると、メルカリの値付けはちょっと高すぎると感じます。良心的な出品を見つけることはほぼありません。

新品では手に入らないものを買える

前述したヴィンテージウクレレや、もう廃盤になってしまった商品など、どうしても新品では買えないものもありますよね。そういうものを買おうとしたら中古しかありません。ただ、欲しいものが欲しい時にあるとは限りません。

リユースすることはエコである

地球の自然環境のことを考えると、まだ使える楽器を再利用することはとってもエコです。

ウクレレを中古で買うリスクについて

相場より高い価格で買ってしまう可能性が高い

上でも少し触れましたが、中古価格は需要が高ければ価格も上がる傾向があります。近年利用者が爆発的に増えているフリマアプリなどは顕著で、楽器店の中古相場よりも高い値付けがされていることも多く、新品より高い値段での出品も散見されます。

他の出品者から安く買った中古品を少し高くして売る、いわゆる「転売」「せどり」も横行しており、古い商品なのに現行品の定価を表記したり、あまり詳しくない方だと勘違いしてしまう(だまされてしまう)ような悪意ある表記をしている出品者(業者のように多数出品しているところは要注意)も多いので本当にお買い得なもの」がほとんど見つけられない上に、見極めが非常に難しくなっています

正直、プロの目から見てお買い得と思える出品はほぼありませんし、むしろ悪意ある出品の方が目につきます。

状態がよくないものを買ってしまう可能性が高い

新品の楽器というのはメーカー出荷時に不具合がないか検品されています。中古の場合は前の持ち主がどんな扱い方をしてきたかわからないので状態が悪くなっている可能性は高まります。

楽器店で販売されている中古品は状態についてもきちんと明記されていることが多く、それなりに信用できます。しかしフリマアプリの場合、素人(もしくは素人をターゲットにした悪質な業者)が出品していることがほとんどなので、状態が悪くても相場通りの値段で出品されていることがよくあります。

フリマアプリやネットオークションで気をつけること

まず、フリマアプリやオークションでウクレレを買うことはとてもリスクが高いということを肝に銘じておいてください。よほどの目利きでないかぎりおすすめしません。買うなと言っているわけではなく、慎重に選ばないと失敗して後悔しますよという注意喚起です。フリマアプリやネットオークションで購入する際に気をつけていただきたい点を3つ挙げておきます。

表示されているメーカー名・型番は正しいか

基本的なことですが、これが間違っているものをちょくちょく見かけます。例えば定価5,000円のウクレレを、定価15,000円のモデルと勘違いして出品しているとか、廉価版ブランドのものを某有名メーカーのものと勘違いして出品しているとか(たとえばコアロハオピオなのにコアロハと書いてあったり)。

そもそもメーカー名や型番が間違っているなんて楽器店では大問題なのですが、フリマアプリやオークションは基本的に個人(素人)が出品するものなのである程度仕方ないとも言えます。なので、買う側も自己責任でしっかり見極める必要があります。

状態についての記述がきちんとされているか

例えば、ウクレレの状態を知る上でとても重要な数値が「弦高」です。商品の詳細に「12フレット上での弦高:1弦側2mm、4弦側2.5mm」など明記されていると、出品者もそれなりにウクレレの知識があると判断することもできます。

「素人なので状態については良くわかりません」みたいなことが書いてあるものは要注意。写真が少ないとか詳細が確認しづらいものも同じく要注意です。どうしてもその商品が気になる場合は、弦高の記載、追加の写真をお願いしてみましょう。

改造歴、修理歴なども記述があると安心です(中古で購入したものだと真偽はわからないので安易に信用しないほうがいいです)。

価格は相場からみて適正か

中古=お買い得であるとは限らない

メルカリはオークションではないので、最初に設定する価格は相場より高くするのが一般的です。それで売れたらラッキーだし、売れなければ少しずつ価格を下げていけばいいからです。先にも書きましたが、転売、せどりをしている出品者がたくさん潜んでいることも念頭に置いておきましょう。

たとえ新品であっても、相場は必ずネットで検索して調べるようにしましょう。有名な楽器店の場合、相場を逸脱した中古出品をすることは店の信用を落とすことになるので基本的にありません。それから、例えば定価やメーカー希望小売価格が100,000円だとしても、新品の実勢販売価格が80,000円という商品はたくさんあります。定価表記にも注意してください。

ヴィンテージ=古ければなんでもいいわけではない

あとは古い商品も要注意です。ヴィンテージというと聞こえがいいですが、ただ古いだけで状態も良くなさそうなものが強気な価格設定で平然と売られているのを見かけます。見た目が似ているので見分けづらいのですが、FamousやLUNAなどの人気の国産ブランドのものでも、古いものは状態が良くない可能性が高いです。

それから調べてもほとんど情報の出てこないようなブランドの商品は、そもそも知名度もなく品質も良くない可能性が高いので要注意です。そういうものを買うくらいなら、安いものでもいいので新品を買うことをおすすめします。

安心して買える中古ウクレレの選び方

有名メーカーの現行機種を選ぶ

Famousなど比較的安価で人気のある有名なメーカーの現行(現在も新品で手に入る)ウクレレは中古であっても安心感があります(メルカリではこういう中古品は人気が高く価格も高め)。ただ、有名メーカーのウクレレであってもすでに廃盤になっている旧品番の商品はかなり古いものもあるので注意が必要です。高額なものは失敗した時にダメージが大きいのでより慎重に検討しましょう。

楽器店が扱っている中古品を買う

フリマアプリより多少高かったとしても楽器店が売っている中古ウクレレを買った方が絶対に安心です。楽器店ではプロの目で状態を細かくチェックした上で買取されているため、値付けの妥当性に安心感があります。

相場より安い場合はその理由がちゃんと記載されているので納得して買うことができます。(たまに「プロ」とか「専門店」を名乗っているフリマアプリ出品者がいますが、ネットで調べても情報が出てこないようなお店(出品者)はあまり信用しない方がいいでしょう。)

メルカリやヤフオクの販売手数料は10%と高いので、その手数料分も加味した販売価格になっていることをお忘れなく。

安いという理由だけで安易に中古を買うと痛い目に遭う

簡単に中古の個人売買ができるようになったため、コロナ禍にメルカリの利用者も急増したそうです。少々手間はかかりますが、楽器店に買い取ってもらうより高く売れるのでウクレレもたくさん出品されています。

素人による出品がほとんどですが、中には悪意を感じる詐欺まがいの出品を見かけることも増えてきました。メルカリは最初に高めの価格を設定しておいて売れなければ下げていくシステムのため、リスクに対してそれほどお買い得でないものがたくさん出品されています。

詳細不明だけどちょっと安いからという理由で買ってしまって、残念な結果になってしまうことがないよう注意喚起の意味も込めてこの記事を書きました。

補足:出品する側も注意が必要

仕事柄、私は毎日フリマアプリをチェックしているのですが、写真に写っている商品と品番が違うとか、現行品の中古なのに新品より高く値段設定されているとか、これって大丈夫なの?っていう出品が結構あります。何も知らずに買ってしまう人がいたら不憫でなりません。

自分ではそのつもりがなくても結果的に相手を騙してしまうこともあり得ますので、出品する際はしっかりと品番や状態を確認して、トラブルを未然に防ぎましょう。楽器店に買い取って貰えばそういったトラブルも避けられるので安心です。

ウクレレのことなら何でもご相談ください!

私は全国展開している楽器店でウクレレのトップ販売員として国内のウクレレ製作家さんやウクレレプレイヤーの方々との親交を深めてきました。製作家さんやプロのミュージシャンとお話しすることで、たくさんのことを学びました。店頭でたくさんのお客様と接することでも、とても多くの知見を得ました。ウクレレをお探しの方へのカウンセリングや購入相談の経験には特に自信があります。

当店は、従来の「お店にあるものの中からお客様に選んで買っていただく」だけでなく、しっかりとお客様のご要望をお伺いしてお客様にとって最適なウクレレ(それが当店に在庫がない商品だとしても)をご提案させていただきたいと考えています。これまでの経験と人脈を活かし、お客様のウクレレ生活をより楽しく豊かなものにできるようサポートしてまいります。お気軽にご相談ください!

電話やビデオ通話、対面での接客もできます!

ネットショップではありますが、お電話での接客、ZOOMやLINEなどのビデオ通話を使った接客も行っております(事前にご予約ください)。長野県松本市に事務所がございますので、松本までお越しいただければ実際に手に取って商品をご覧いただくことも可能です(こちらも事前にご予約をお願い致します)。電話や来店のご予約はオンラインショップの問い合わせフォームからお願い致します。

実は下取・買取もできます!

当店は長野県公安委員会から古物商の営業許可を受けておりますので、ウクレレの買取や中古楽器の販売をすることができます。買取査定は基本的にオンラインでさせていただき、宅配買取(こちらから箱を送りますので、必要書類と楽器を入れて送り返していただく)か、事務所(長野県松本市)の近くにお住まいだったり、売却したい本数が多い場合には出張買取もご相談ください。