豆知識・お役立ち情報

汚れたフレットは上達を妨げる?フレットの正しいみがき方

フレットが汚れる理由

ウクレレのフレットはニッケル・シルバーという金属でできています。スプーンなどのカトラリーにも使われる、比較的柔らかくて加工しやすい金属です。

ニッケルは空気中に放置すると酸化被膜を形成し、だんだんと表面がくすんでくるという性質があります。さらに放置すると表面に白い酸化物が付着して表面がガサガサしてきて指の滑りが悪くなってきます。

環境にもよりますが、さらに数年放置すると緑青(ろくしょう)という緑色のサビが出てきます。ここまでくると表面はザラザラで滑りが悪く、非常に弾きにくい状態になります。

フレット磨きのタイミング

個人差あると思いますが、よく弾いている楽器ほどフレットはくすみにくい気がします。しばらく放置していると徐々にくすみが気になってきます。使用環境にもよりますが、半年か1年に一度くらいは、弦交換のタイミングで磨いてあげるのがいいかなと思います。

用意するもの

マスキングテープ(3Mの黄色いアクリル系粘着剤のやつ)

マスキングテープには接着剤がゴム系のものとアクリル系のものがあるのですが、楽器のリペアやメンテナンスでよく使われるのはアクリル系です。塗装まで剥がれてしまわないように、塗装面に使うときは腕などに何度か貼って剥がしてを繰り返して粘着力を弱めてから使いましょう。

金属みがきクロス

研磨剤が染み込ませてあるクロスです。今回はこのミラクロスを12枚に切ったうちの1枚だけを使いました。これひとつで12本(回)分ってことですね。ポリマールやピカールクロスも同じような商品です。

普通のクロスに金属磨き剤やコンパウンドをつけて代用することも可能ですが、クロスは真っ黒になるので使い捨てることになりますし、コンパウンドなども一般の方が使い切れる量ではないので、まずはこれで試してみてもいいのかなと思います。

コンパウンド(汚れがひどい時)

フレットがかなり汚れている場合、ミラクロスだけだと結構時間がかかって大変なのでペースト状のコンパウンド(フェルナンデスのスクラッチメンダー946とか)があると楽に汚れが落とせるのでかなり時短になります。ウクレレを数本所有している人は持っておいても良いかもしれません。

フレットの磨き方

まず弦をすべてはずすか、弦を緩めて指板からずらします。

弦をはずさない場合は写真のようにマスキングテープでとめておきましょう。塗装面に使うときは、念のため机などに何度か貼って剥がしてを繰り返し、粘着力を弱めてから使いましょう。弦をすべてはずした状態で行うのが理想です。

次に指板面を保護するためにマスキングテープを貼ります。これをしないと指板もすこし研磨してしまうことになりますし、汚れも付着してしまいます。フレットのギリギリのところに貼りましょう。

少しずつ様子を見ながら力加減を調節して擦っていきます。結構強い力で擦る必要があるので、楽器に無理な力が加わらないように気をつけてください。指先が汚れで黒くなるので、汚したくない場合は手袋をつけて行いましょう。

今回のウクレレは数年放置されていたもので汚れがひどかったので、ペースト状のコンパウンドを少しつけて磨きました。つける前と比べると圧倒的に楽に汚れが落ちました。それだけ研磨力が強いということなので、やりすぎないように注意しましょう。

1本キレイになったらマスキングテープを貼り直して順番に磨いていきます。マステはボロボロになって養生の効果がなくなる前に交換しましょう。今回は1度だけ交換しました。

すべてのフレットを磨いてキレイになったら最後にオイルなどで指板もキレイにします。フレットに残った汚れや研磨剤もキレイになります。フレットや指板がキレイな状態だと見た目にも気分がいいものですが、フィンガリングがスムーズになり弾きやすくもなります。

おすすめの指板用オイル MUSIC NOMAD F-ONE OIL

大手ウクレレメーカー、KAMAKA、KOALOHAでも使用されているプロクオリティの指板用オイルです。

レモンオイル、ワックス、石油、洗剤、水を使用しておらず、天然のオイル100%で作られていますので指板やフレットにダメージを与える心配がありません。ほぼ無臭なところも良いですね。

指板に付着した手垢や埃などの汚れを拭き取り、しっとりと潤いを与えてくれます。乾燥して白っぽくなった指板も、艶が蘇りとても美しい見た目になります。

粘度が高く、揮発性もそれほどないため保湿効果も期待できます。乾けば表面はさらっとしていて、指板はしっとり。

指板に塗った後余ったオイルはふき取ってください。余分なオイルが残っているとべた付き等の原因となります。

まとめ

こまめに拭いてあげていればそんなに気にならないものですが、しばらく弾いてなかったりメンテナンスをまったくしていなかったりするとフレットは徐々にくすんでいきます。とくに何年も弾いてなかったウクレレを使い始めるようなときには、ぜひ弦交換とフレット磨き、指板のクリーニングもしてあげてくださいね。大手の楽器店では弦交換のオプションとしてフレット磨きまでしてくれるところもありますので、そういうサービスを利用するのも良いと思います(かなりお高いのが難点ですが)。

ウクレレのことなら何でもご相談ください!

私は全国展開している某楽器店でウクレレのトップ販売員として国内のウクレレ製作家さんやウクレレプレイヤーの方々との親交を深めてきました。製作家さんやプロのミュージシャンとお話しすることで、たくさんのことを学びました。店頭でたくさんのお客様と接することでも、とても多くの知見を得ました。ウクレレをお探しの方へのカウンセリングや購入相談の経験には特に自信があります。

当店は、従来の「お店にあるものの中からお客様に選んで買っていただく」だけでなく、しっかりとお客様のご要望をお伺いしてお客様にとって最適なウクレレ(それが当店に在庫がない商品だとしても)をご提案させていただきたいと考えています。これまでの経験と人脈を活かし、お客様のウクレレ生活をより楽しく豊かなものにできるようサポートしてまいります。お気軽にご相談ください!

電話やビデオ通話、対面での接客もできます!

ネットショップではありますが、お電話での接客、ZOOMやLINEなどのビデオ通話を使った接客も行っております(事前にご予約ください)。長野県松本市に事務所がございますので、松本までお越しいただければ実際に手に取って商品をご覧いただくことも可能です(こちらも事前にご予約をお願い致します)。電話や来店のご予約はオンラインショップの問い合わせフォームからお願い致します。

実は下取・買取もできます!

当店は長野県公安委員会から古物商の営業許可を受けておりますので、ウクレレの買取や中古楽器の販売をすることができます。買取査定は基本的にオンラインでさせていただき、宅配買取(こちらから箱を送りますので、必要書類と楽器を入れて送り返していただく)か、事務所(長野県松本市)の近くにお住まいだったり、売却したい本数が多い場合には出張買取もご相談ください。