ウクレレの選び方

カルチベイトウクレレのオリジナルソプラノウクレレがついに完成しました!

こんにちは!カルチベイトウクレレです。

お店を始めた頃から水面下で動いていたプロジェクト、当店のオリジナルソプラノウクレレが完成しました!手前味噌で申し訳ありませんが、ものすごく良いものができましたのでご紹介させていただきます。

CULTIVATE UKULELE D0M ソプラノウクレレ

1910〜20年代、Martinがボストンの楽器販売会社Oliver Ditsonのリクエストに応える形で製作していたドレッドノート型のソプラノウクレレをモチーフに、カルチベイトウクレレならではのアレンジを加えた当店オリジナルのソプラノウクレレです。

長野県松本市にある当店が企画し、お隣の長野県塩尻市にある「ティーズギター」さんで製作していただきました。

製品概要

ナット幅35mm、スケール345mm、一般的なMartinタイプのソプラノウクレレです。

通称「ディットソンタイプ」と呼ばれるドレッドノート型のボディは、通常のFigure Eight (数字の8)型のボディに比べてくびれが少なく、ボディ内容積が増えることで8型よりも中低域が豊かでふっくらとした音色になる特徴があります。

ボディはアフリカンマホガニー単板(表板と裏板は1ピース)、ネックもアフリカンマホガニー、指板はローズウッド、ブリッジはパーフェロー、ナット&サドルはデルリン。

パッと見た印象はヴィンテージな雰囲気ですが、演奏性・操作性はしっかりと現代的に使いやすくアップデートしてあります。

こだわりポイント

握りやすいネック

1F付近が極端に薄いヴィンテージMartinよりも1mmほどネックが厚くなるように設計してあり、握りの安定性を向上しています。薄すぎず厚すぎず、絶妙なグリップ感です。

押弦のしやすさ

セーハなども少ない力で楽に押弦できるように背が高く、かつ幅が細すぎず太すぎないフレットを選択。とにかく弾きやすいというのがこのウクレレ1番のセールスポイントです。

音色の良さ

低めの弦高は弾きやすい反面、音にハリがなくなってしまいがちなのですが、低い弦高でもしっかりと粒だちの良い音が出る設計にしました。

音程面で有利なフロロカーボン弦を使いたくて、でもフロロのキンキンしがちな高音域をマイルドにしたくて、ナットとサドルには一般的な牛骨ではなくデルリン(プラスチックの一種)を選択しています。

音程の良さ

ハイフレットでも正確な音程で美しいハーモニーが出せるようにオフセットサドルを採用。

オフセットサドルとは、太さの違いに合わせてナットからサドルまでの距離を微調整(=オクターブ調整)することができる厚みのあるサドルのことです。

使用できる音域

Martin Style-0は12フレットまでしかありませんが、3弦開放のド(C4)から2オクターブ上のド(C6)まで出せるように指板を15フレットまで延長しました。12フレットより上はあまり使うことのない音域ですが、あればあったで重宝します。

チューニングのしやすさ

使い勝手を重視して、チューニングが快適なゴトーUPTペグを搭載。見た目や重量を考えてウェーバリーのフリクションペグやペグヘッズも候補にあがりましたが、コストと使いやすさを考えるとこのモデルにはUPTがベストと判断しました。


弾きごこちの良さ

弾きごこちを良くするためにフレットの端を丸く仕上げています。この処理をしなくても演奏性に問題があるわけではないのですが、より気持ちよく弾いていただけるように手間を惜しまず1本1本丁寧に仕上げています。

装飾について

オリジナルのヴィンテージMartin Style-0と同じで、ロゼッタの口輪飾りのみのシンプル仕様。バインディングやパーフリングなどの装飾を最小限にすることで価格を抑えました。

本家のStyle-0は7フレットのポジションマークがシングルですが、D0Mはダブルに変更。指板上のマークは極小サイズですが、指板サイドにもポジションマークが入っていますので演奏時の視認性は問題ありません。


塗装について

1920年代のヴィンテージ3Mのようなやや赤みのある茶色に着色した、極薄のトップラッカー・セミグロス仕上げ(グロスのようにテカテカではなく、かといって艶消しほどマットではない見た目)となっております。

「極薄」というのは、楽器の鳴りを妨げないよう塗膜を極力薄くするため、下塗りと目止めをして上塗りのラッカーを吹きっぱなしにしてあるということです。

デメリットとしては、塗装面が鏡面仕上げのようにフラットではなく、導管部分が目痩せ(塗料が木の凹凸に沈みこむこと)により若干凸凹して見えたり、まれに目止めが道管を完全に埋められずピンホール(塗膜に穴が開くこと)になったりすることがあります(このあたりはヴィンテージ感のある仕上げということでご理解のうえご購入をお願いいたします)

弦について

弦はこのウクレレの魅力を最大限に引き出すため、特別に組み合わせたオリジナルゲージのフロロカーボン弦を採用しています。

細めなので弦を押さえやすく(=弾きやすい)、楽器がよく響きます。細めの弦はオクターブピッチも狂いにくいので、音程の面でも有利です。さらにフロロ弦はナイロン弦に比べて温度変化によるチューニングの狂いも少ないので、扱いやすいというメリットもあります。

一般的にキンキンした音色のものが多く、無機質でケミカルな印象の強いフロロカーボン弦ですが、このセットは比較的ナチュラルでオーガニックな音色になっています。

音色や弾き心地について

マホガニーのソプラノウクレレらしいコロコロとした素朴な音色で、低音域がすっきりしていて明るく軽やかな音質が特徴です(「太い音」や「迫力のある低音」を求める方は、予算が許せばSeilenやSUMI工房といった個人製作家さんの楽器をおすすめします。)

重量も約330gと軽量で抱えやすく、音も軽やかに、大きな音で鳴ってくれます。ジャカジャカ弾いて良し、しっとりとソロスタイルも結構いけるソプラノウクレレに仕上がったと思います。

まとめ

弾きやすいネックやフレットの形状、フレット端のエッジ処理、正確な音程でハイフレットも気持ちよく弾ける、ヴィンテージのMartin Style-3のような赤みがかったマホガニー色の見た目などなど、この予算内でできることはすべてやり尽くしました。

いくら音色が良くても、いくら見た目がかっこよくても、弾きにくい楽器は自然と手が遠のくものです。弾いていてストレスの少ない楽器というのはそれだけでとても価値があるものだと思います。

これまでたくさんのウクレレを見て、触れて、弾かせていただいてきた私のウクレレへの情熱と愛情の詰まった、自信を持っておすすめできるソプラノウクレレ。

喜びと、誇らしさと、少しの心配が入り混じった、我が子を送り出す親のような気持ちです。

天塩にかけて育てた我が子を、皆様どうぞよろしくお願い致します。

ブランド名

CULTIVATE UKULELE(カルチベイトウクレレ)

型名


D0M(ディーゼロエム)


SPEC(仕様)


サイズ:ソプラノ

ボディ材:アフリカンマホガニー単板

ネック:アフリカンマホガニー

指板:ローズウッド

ブリッジ:パーフェロー

ポジションマーク:5・7・10

ナット&サドル:デルリン(ポリアセタール)

ペグ:GOTOH UPT シルバー/アイボリーボタン

フレット:12Fジョイント/15F
ナット幅:約35mm
スケール:約345mm

塗装:トップラッカー/セミグロス仕上げ
ケース:別売り

販売価格


98,000円(税込・送料無料)