豆知識・お役立ち情報

High-Gだけじゃない?!ウクレレのいろいろなチューニングを試してみよう!

実はたくさんあるウクレレのチューニング方法

最もスタンダードな「High-G チューニング」

ウクレレの最もスタンダードなチューニング方法は 4弦から g・C・E・A のHigh-Gチューニングです。単に「ハイジー」とも呼びます。ウクレレを買った時に最初に張ってある弦はほとんどがHigh-G仕様で、楽器自体もこのチューニングを基本に作られています。まれにLow-G(ロウジー)仕様で売られているものもありますし、あとからLow-G弦に替えて楽しんでいる方もいらっしゃるかもしれません。

D チューニング(アメリカンチューニング)

4弦から a・D・F♯・B 。いわゆる1音上げチューニングです。

全部の弦を2フレット分高く調弦します。通常のチューニングの最低音がCなのに対し、DになるのでDチューニングと呼ばれます。別名「アメリカンチューニング」

ロイ・スメックジョージ・フォーンビーなど歯切れの良いストラムがメインの弾き方でよく使われるチューニングですね。100年前はこのチューニングが標準だったとか。1音上がると弦のテンションがキツくなり、速くて歯切れの良いストロークにあっていると思います。音色も明るく爽やかな感じになります。カントリー、フォーク・ミュージックとも相性が良いチューニングだと言われています。

High-Gレギュラーチューニング用の弦で1音上げると楽器にも負担がかかる(サウンドボード(トップ板)の変形、最悪の場合ブリッジが飛ぶ恐れがあります)ので、ずっとアメリカン・チューニングにするなら専用の弦(ダダリオのEJ65Sなど)を買うか、ゲージを下げる or テンションの弱い弦を使いましょう。

B♭チューニング

4弦から f・B♭・D・Gいわゆる1音下げチューニングです。

全部の弦を2フレット分低く調弦します。名前の由来はDチューニング同様、最低音がB♭になるから。

あまり一般的ではないチューニング方法ですが、弦のテンションが緩くなり、メロウ(柔らかく・優しい・まろやか)なトーンになります。楽器もよく響き、音量も豊かになる場合も。ちょっと疲れてる時とか、1音下げたウクレレの音を聴くと癒されます。弦を押さえるのも楽になるので左手の指が痛い方にもおすすめ

スケールの短いソプラノでも1音くらいならそのまま下げても弦がボヨンボヨンになってしまうことはありません。

バリトン・チューニング(High-D)

4弦から d・G・B・E 。 バリトンウクレレのHigh-D版です。

全部の弦を5フレット分低く調弦します。2音半下げです。

バリトンウクレレは通常4弦からDGBEと、ギターの1〜4弦と全く同じチューニング(Low-D)をしますが、4弦だけを1オクターブ上げたチューニングです。

ライル・リッツの代表作「How About Uke」というアルバムでこのチューニングにしたテナーウクレレの音色を聴くことができます。ギターのようなふくよかでリラックスした音色は気にいる人も多いはずです。

High-Gレギュラーチューニングから2音半も下げるので、弦がそのまま(High-G用)だとダルダルになってハリのない音になってしまいます。テナーなどスケールの長いウクレレに向いたチューニングですが、弦を工夫すればソプラノでも結構いけます。個人的にすごく好きなチューニングなので、いつでも弾けるようにHigh-D専用にセットアップしたウクレレ(楽器自体はHigh-Gで使う標準的なソプラノですが)も持っています。

このチューニングを常用するなら太めのフロロカーボン弦(WorthのFatのセットなど)に交換するとボヨンボヨンになりにくいのでおすすめです。

上記のチューニングのように全部の弦で同じ音程だけチューニングを変える場合、キーが変わるだけなので楽譜通りそのまま弾けます。カポと同じ感覚ですね。他の人と同じ楽譜でアンサンブル(合奏)するときはそのまま弾くとキーが合わなくなりますので自分が移調して弾くか、他の人とチューニングを揃えましょう。

Low-G チューニング

4弦から G・C・E・AHigh-Gチューニングから4弦だけ1オクターブ低くしたチューニングです。

ウクレレの神様とも呼ばれているオータサン(ハーブ・オオタ)の「Stardust」や、イズラエル・カマカヴィヴォオレの「Over the rainbow」などで聴くことができるチューニングで、High-Gの次に人気のあるチューニングです。

最低音が2音半下がるので楽器の響き方も変わり、独特のメロウなトーンが楽しめます。Low-G用に書かれた楽譜も多いです。

Low-G用の4弦に張り替える必要がありますので、1本のウクレレでHigh-Gにしたり、またLow-Gにしたりというのは不便なので、Low-Gが気に入ったらLow-G用の楽器も用意するのがおすすめです。

バリトン・チューニング(Low-D)

4弦から D・G・B・Eバリトンウクレレの標準的なチューニングです。

シカゴチューニングとも呼ぶそうです。

ギターの1〜4弦と全く同じ音程にチューニングするのですが、ウクレレはスケールが短い分弦のテンションがゆるくなるのでギターよりもずっとメロウな音色になります。

先ほどのバリトンHigh-D同様、弦がそのままだとダルダルになってしまいますのでもし常用する際は弦を交換した方が良さそうです。スケールが長いウクレレに向いたチューニングですが、弦選びを工夫すればソプラノでもできないことはありません。

動画で解説(音色サンプルあり)

動画の方が音色の違いがわかりやすいと思い、動画も作ってみましたのでよかったらこちらもご覧ください。(参考になったらチャンネル登録や高評価、コメントなど宜しくお願いします!)

その他のチューニング

Cタロパッチ

High-Gレギュラーチューニングから、1弦のみ1音下げます。そうすると解放弦の音が4弦から G-C-E-G になり、何も押さえなくてもCのコードになります。

5フレットのセーハでF、7フレットのセーハでGになるので、指一本でCメジャーキーのⅠ、Ⅳ、Ⅴのコードが弾けちゃいます。1弦と4弦が同じ音になるので、どちらかが鳴ってなくてもOK!なので初心者でも比較的簡単にウクレレを楽しめるメリットがあります(ちょっと不自然なボイシングにはなってしまいますが)。

C7スライドチューニング

High-Gレギュラーチューニングから、1弦のみ半音上げます。そうすると解放弦の音が4弦から G-C-E-B♭ になり、何も押さえなくてもC7のコードになります。

5フレットのセーハでF7、7フレットのセーハでG7になるので、指一本でCメジャーキーのⅠ7、Ⅳ7、Ⅴ7のコードが弾けちゃいます。Cタロパッチと同じ感覚で(こちらもちょっと不自然なボイシングにはなってしまいますが)ブルース気分が楽しめます

Low-A チューニング

Dチューニングの4弦を1オクターブ下げたチューニング。言い換えればLow-Gの全弦1音上げということですね。ジェームス・ヒルがこのチューニングを使っていることで知られています。

まとめ

いろいろと試してみましたが、チューニングが変わると音域や音色が変わるだけでなく、楽器の響き方も変わることがわかります。

ウクレレは絶対にHigh-Gにチューニングしなければいけないというわけではありませんし、High-G/Low-Gがすべてではありません。自分の好みに合ったチューニングで楽しんでいただければと思います。

ただし、チューニングによってはそのままの弦だと楽器に負担がかかったり、ビビりが出てしまったり、弦を変えないといけないこともありますのでそこだけ注意してください(メッセージ等で気軽に質問してください)

チューニングを変えるだけで、新しいウクレレを買わなくても新鮮な気持ちでウクレレを楽しめたり、イマジネーションが湧いてきたりするので、少々まんねり気味でウクレレ弾いた時のときめきが少なくなってきた方、あと音にこだわりのある方や好奇心旺盛な方はぜひいろいろなチューニングを試してみてください!

おすすめのクリップチューナー

ウクレレを演奏する際に必要になるのが「チューナー」です。ウクレレを買うときに一緒にすすめられると思いますがチューナーは中途半端な値段のものを買うより、高くても良いものを使った方が絶対にいい!です。高価ですがTCエレクトロニックの「UNI-TUNE(ユニチューン)」というクリップチューナーをおすすめします。おそらく業界内で最も評判の良いクリップチューナーですので、これを買っておけば間違いありません

ウクレレのことなら何でもご相談ください!

私は全国展開している某楽器店でウクレレのトップ販売員として国内のウクレレ製作家さんやウクレレプレイヤーの方々との親交を深めてきました。製作家さんやプロのミュージシャンとお話しすることで、たくさんのことを学びました。店頭でたくさんのお客様と接することでも、とても多くの知見を得ました。ウクレレをお探しの方へのカウンセリングや購入相談の経験には特に自信があります。

当店は、従来の「お店にあるものの中からお客様に選んで買っていただく」だけでなく、しっかりとお客様のご要望をお伺いしてお客様にとって最適なウクレレ(それが当店に在庫がない商品だとしても)をご提案させていただきたいと考えています。これまでの経験と人脈を活かし、お客様のウクレレ生活をより楽しく豊かなものにできるようサポートしてまいります。お気軽にご相談ください!

電話やビデオ通話、対面での接客もできます!

ネットショップではありますが、お電話での接客、ZOOMやLINEなどのビデオ通話を使った接客も行っております(事前にご予約ください)。長野県松本市に事務所がございますので、松本までお越しいただければ実際に手に取って商品をご覧いただくことも可能です(こちらも事前にご予約をお願い致します)。電話や来店のご予約はオンラインショップの問い合わせフォームからお願い致します。

実は下取・買取もできます!

当店は長野県公安委員会から古物商の営業許可を受けておりますので、ウクレレの買取や中古楽器の販売をすることができます。買取査定は基本的にオンラインでさせていただき、宅配買取(こちらから箱を送りますので、必要書類と楽器を入れて送り返していただく)か、事務所(長野県松本市)の近くにお住まいだったり、売却したい本数が多い場合には出張買取もご相談ください。