日頃のコンディションチェックの重要性
人間同様、ウクレレにも病気や怪我のようなことが起こります。そうなってしまうと、弾きにくかったり、良い音が出なかったり、せっかくのウクレレタイムが楽しいものになりません。そうしたトラブルを未然に防ぐために心がけたい、日常的なウクレレの健康チェック方法をご紹介します。
楽器にとって良いコンディションとは
ちょっと回り道しますが、良いコンディションの楽器とはどんな楽器のことをいうのでしょうか?楽器を購入する際にも重要になってくる部分なので、ここでまとめておきます。
弾きやすくて、良い音が出る状態
弾きやすさと良い音に関わるチェックポイントはいくつかあります。
- 弦高が適正(ナット弦高、12フレット弦高)
- ネックが反っていない
- フレットのバリが出ていない
- 弦が劣化していない
新品購入し、購入時に問題がなかったという前提です。そもそも作りが粗いものは、新品で購入したものだとしても「弾きやすくて、良い音が出る状態」でなかったりします。新品=最高のコンディションではない場合もよくあるので注意が必要です。中古の場合は修理歴・改造歴がある可能性もあります。特に個人売買にはリスクが付き物です。メルカリなどで購入する時にチェックしておきたいポイントは別の記事にまとめてあります。
損傷や故障がない状態
弾きやすさや音色の良し悪し以前に、楽器自体が破損している場合も良いコンディションとは言えません。ぶつけたり、落としたり、踏んでしまったりして起こることが多いです。
- 木部に傷があったり、割れたりしている
- ブリッジが剥がれかけている
- ペグが回らない、回しづらい、緩んでしまう
傷と言っても、ちょっとぶつけた打痕とか、擦り傷程度でしたら演奏上問題ありませんし、音色にも影響ありません。明らかに割れているとか、演奏時に引っかかるなど気になるようなところに傷がついてしまった場合は修理が必要です。
さっそく楽器をチェックしていきましょう!
まずは全体を目視でチェック
ボディ、ネック、ブリッジなどのヒビや割れ、ナットやサドル、ペグの破損など、何かおかしなところがないかを目でチェックします。凹みや傷があるようであれば触ってみて傷の深さを確認。割れのない小さな打傷や、塗装の上にひっかき傷があるくらいなら問題なし、木目にそってヒビが入っていれば割れている可能性が高いので早めにリペアに出しましょう。楽器が割れているとか、ブリッジがはがれかけている場合は弦を緩めておきましょう。
弦高チェック
12Fでの弦高と、ナット弦高の両方が適切かどうかを確認します。
12Fでの弦高
一般にただ「弦高」と言う場合は12F上の弦高のことを指します。ナットの方から数えて12番目のフレットの山の上から、弦の下側までの距離を測ります。2.5-2.8mmくらいが一般的ですが、2〜3mmの間でビリつき等なければOKです。低すぎると音にハリがなくなったりサスティーンが短くなったりるケースもあるので、低ければいいというものでもありません。逆に3mm以上あると結構高くて弾きづらさを感じます。
ナット弦高
ナット弦高は3Fを押弦した状態で1Fの山のてっぺんと弦の下側の隙間を見ます。コピー用紙が1〜2枚入るくらいのごくわずかな隙間があるのが適正です。隙間がありすぎると1〜3F付近が押さえづらくなり、隙間が全く無いとビビリの原因になります。
ネックの状態をチェック
ネックが反っているか確認する方法
ネック反りの簡単なチェック方法として、1フレットを左手人差し指で押さえて、12フレット(または14フレット。一般的にジョイントフレットで行う。)を右手小指で押さえる。右手親指で中間あたりをトントンとして隙間の状態をチェックする。まったく隙間がない場合は逆反り、隙間がありすぎる場合は順反り。コピー用紙1枚程度の隙間があるのが適正とされています。きちんとした楽器ならウクレレの場合ネック反りはほとんど起こりませんが、安価なものはひどく反ってしまったものも見たことがあります。
フレットのバリについて
フレットのバリに関しては乾燥によって安いものでも高級なものでも出てしまいます。購入後1週間くらいで症状が出ることもありますので、その場合は保証対応してもらえることもあるので購入店に相談してみてください。冬の乾燥でバリが出た場合は1週間くらい加湿してみて、治らなければリペアに出して削ってもらいましょう。(多湿な季節になったら自然に治ることもあります)
ハイフレットの音程をチェック
解放の音と12フレットの音を比べる
各弦の解放の音をチューナーで合わせた後、各弦の12フレットを押さえて音が合っているかチェックします。もし大きく音がズレている場合は、弦が劣化している可能性がありますので、数ヶ月交換してなければ弦交換した方がいいかもしれません。弦交換して間もないとか、弦交換しても改善されない場合は楽器のセットアップの問題の可能性もあります。安価な楽器ほど製作の精度が低いため「イントネーションが悪い(音痴)」ものが多いです。後天的にはネックが極端に順反りした場合もピッチが狂うことがあります。
特に初心者の場合、最初は1~3フレットまでのコード弾きくらいしないので気が付きにくいのですが、ソロウクレレなどでハイフレットを使うようになって初めて自分の楽器のイントネーションについて知るということが多いかもしれません。もし極端にズレていて気になる場合は、思い切って精度の高い楽器に買い換えてみるのもいいでしょう。
今すぐできる簡易的な音程のズレ対策
弦の種類や太さ(ゲージ)を変えた時とか、弦が古くなってきた時とか、なんだか音程が合わなくて気持ち悪いなーという日があります。そういった時の対処法をご紹介します。
まず解放で音を合わせる。次に12フレットの音を確認。例えば1弦12フレットのAの音がちょっと気になるくらいシャープしていた(高かった)とします。7フレットを確認するとEの音がほんの少しシャープしているはずです。7フレットをEの音にピッタリ合わせます。これは折衷策なのですが、12フレットはほとんど使わないけど、7フレットあたりは多用します。この対策の結果、解放の音がわずかにシャープすることになりますが、7フレットの音が高かった時ほどは気になりません。
ちょっと言葉では分かりづらいかもしれませんが、音程が気になる方は一度試してみてください。オクターブピッチについては下記の記事で詳しく解説しています。
まとめ
毎日弾いてチェックしましょう
結局これが一番大事です。毎日弾いていると細かな変化に気が付きやすいからです。「あれ、今日はなんだか弦高が高くて押さえにくい気がする」とか「2弦の解放がビビる」とか「ハイフレットの音程が悪い」とか「フレットのバリが指に当たって痛い」などの違和感がきっかけで不具合に気が付く場合が多いです。
ウクレレのことなら何でもご相談ください!
私は全国展開している某楽器店でウクレレのトップ販売員として国内のウクレレ製作家さんやウクレレプレイヤーの方々との親交を深めてきました。製作家さんやプロのミュージシャンとお話しすることで、たくさんのことを学びました。店頭でたくさんのお客様と接することでも、とても多くの知見を得ました。ウクレレをお探しの方へのカウンセリングや購入相談の経験には特に自信があります。
当店は、従来の「お店にあるものの中からお客様に選んで買っていただく」だけでなく、しっかりとお客様のご要望をお伺いしてお客様にとって最適なウクレレ(それが当店に在庫がない商品だとしても)をご提案させていただきたいと考えています。これまでの経験と人脈を活かし、お客様のウクレレ生活をより楽しく豊かなものにできるようサポートしてまいります。お気軽にご相談ください!
電話やビデオ通話、対面での接客もできます!
ネットショップではありますが、お電話での接客、ZOOMやLINEなどのビデオ通話を使った接客も行っております(事前にご予約ください)。長野県松本市に事務所がございますので、松本までお越しいただければ実際に手に取って商品をご覧いただくことも可能です(こちらも事前にご予約をお願い致します)。電話や来店のご予約はオンラインショップの問い合わせフォームからお願い致します。
実は下取・買取もできます!
当店は長野県公安委員会から古物商の営業許可を受けておりますので、ウクレレの買取や中古楽器の販売をすることができます。買取査定は基本的にオンラインでさせていただき、宅配買取(こちらから箱を送りますので、必要書類と楽器を入れて送り返していただく)か、事務所(長野県松本市)の近くにお住まいだったり、売却したい本数が多い場合には出張買取もご相談ください。